「女性ホルモン」と聞くと、どんなイメージがありますか?
肌や髪をきれいに保つ。
丸みのある女性らしい体をつくる。
妊娠や出産に関わる。
私も以前は、それくらいのイメージしかありませんでした。
でも、女性の体について勉強していくなかで知ったのが、女性ホルモン、なかでもエストロゲンは、私たちが思っている以上に全身のさまざまなところに関わっているということ。
骨、血管、皮膚、脳、腟や尿路などの粘膜……。
月経や妊娠に関わるだけではなく、女性の体をさまざまな面から支えてくれているのです。 つまり、エストロゲンがしっかり分泌されている時期の女性の体は、実はかなり大きな力で守られている。
40代になって体のあちこちに変化を感じるようになった今、改めて「女性ホルモンってすごかったんだな」と思います。今回は、そんな女性ホルモンの基礎知識についてまとめてみます。
そもそも「女性ホルモン」って何?
一般的に「女性ホルモン」と呼ばれているのは、主に卵巣から分泌される「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」です。
エストロゲンは、思春期になると分泌量が増え、女性らしい体つきをつくったり、子宮内膜を厚くして妊娠に備えたりする働きがあります。
一方のプロゲステロンは、排卵後に多く分泌され、子宮内膜を妊娠しやすい状態に整えたり、妊娠を維持したりすることに関わります。
この2つのホルモンが月経周期に合わせて増えたり減ったりしながら、女性の体のリズムをつくっています。
エストロゲンは、実は全身で働いている
なかでも40代以降の体を考えるうえで知っておきたいのが、エストロゲンの働きです。
エストロゲンというと「女性らしい体をつくるホルモン」という印象が強いかもしれません。
でも、その働きはそれだけではありません。
たとえば、
- 骨の代謝に関わり、骨量を保つ
- 血管をしなやかに保つ
- LDL(悪玉)・HDL(善玉)コレステロールのバランスに関わる
- 皮膚の潤いを保つ
- 自律神経の調節に関わる
- 腟や尿路などの健康を保つ
など、全身のさまざまな組織に作用しています。
こうして並べてみると、女性ホルモンは美容や生殖だけに関わるものではないことがわかります。
むしろ、女性の体のいろいろな場所で、日々の健康を支えてくれている存在なのです。
女性の体は、エストロゲンに守られている
私が女性ホルモンについて勉強したとき、特に印象に残ったのがこのことでした。
「女性の体って、エストロゲンにこんなに守られていたんだ」
若い頃は、骨や血管のことなんてほとんど意識しません。
健康診断でも大きな問題がなく、多少無理をしてもなんとかなる。肌や髪についても、「年齢による変化」をそれほど感じずに過ごしていた人も多いと思います。
もちろん、それがすべて女性ホルモンのおかげというわけではありません。
でも、エストロゲンが十分に分泌されている時期には、骨代謝や脂質代謝、血管、自律神経など、さまざまな面でその作用を受けています。厚労省の資料でも、性成熟期はエストロゲン量が概ね安定し、エストロゲンによる「身体への保護作用」がある時期として示されています。
だからこそ、閉経に向かってエストロゲンが変動・低下していくと、それまで意識していなかった体の変化が少しずつ表に出てくることがあります。
40代になると、エストロゲンはどう変わる?
女性ホルモンの分泌量は、一生を通して一定ではありません。
思春期に増え始め、性成熟期には月経周期に合わせて変動を繰り返します。そして、37歳ごろをピークにエストロゲンの分泌の減少がはじまります。
ただし、ここで知っておきたいのが、40歳になった途端、エストロゲンが一定のペースできれいに減っていくわけではないということ。
更年期にはエストロゲンの分泌が大きく変動しながら低下していきます。
これを最近では「ゆらぎ期」ともいいます。
そのため、月経周期が変わったり、ほてりや発汗、疲れやすさ、気分の変化など、それまで経験したことのない不調を感じたりすることもあります。日本女性医学学会でも、更年期には血管運動神経症状だけでなく、精神神経症状、皮膚症状、泌尿生殖器症状、運動器系の症状など幅広い症状がみられることを示しています。
このエストロゲンの分泌で、ゆらぎなら減少していく期間が「更年期」です。
更年期がいつから始まるのか、閉経との関係については「更年期っていつから? 40歳になる前に知っておきたい体の変化」で詳しくまとめています。
そして閉経後は、エストロゲンの分泌量が低い状態になります。
だから40代のとくに前半は、単に「女性ホルモンが減る年代」と考えるより、これまでとはホルモンの状態が大きく変わっていく時期と考えたほうがわかりやすいかもしれません。
「減る=悪いこと」ではない
ここまで読むと、
「じゃあ、女性ホルモンが減るのって怖いことなの?」
と思うかもしれません。
でも、エストロゲンが低下していくこと自体は、閉経に伴って起こる自然な体の変化です。
大切なのは、怖がることではなく、これまで体を支えてくれていた仕組みが変わっていくことを知り、その変化に合わせて自分の体をケアしていくこと。
たとえば、骨の健康を意識して運動や食事を見直す。
血圧やコレステロールなど、健康診断の数値にも少し目を向けてみる。
肌や粘膜の変化に合わせて、ケアの方法を変えてみる。
20代、30代と同じことを続けるのではなく、今の体に合う方法へ少しずつ変えていけばいい。
そのためにも、40代は女性ホルモンについて知っておくのに、ちょうどいい時期なのだと思います。
女性ホルモンを知ることは、これからの体を知ること
若い頃は、女性ホルモンについて考えるのは、月経や妊娠のときくらいだったかもしれません。
でも40代になってみると、女性ホルモンを知ることは、これから自分の体にどんな変化が起こりやすくなるのかを知ることでもあると感じます。
骨も、血管も、肌も。
今まで当たり前だと思っていた体の状態には、エストロゲンが関わっていた部分がたくさんあります。だから、変化が起こってから「どうして?」と戸惑うより、「ああ、体が次のステージに移っているんだな」と知っておく。
そして、そのときの自分に合ったケアを選んでいく。女性ホルモンについて知ることも、45歳からの「わたし再編集。」のひとつなのかもしれません。
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「更年期っていつから? 40歳になる前に知っておきたい体の変化」
参考にした情報
・厚生労働省「女性の健康相談に係る相談員向け研修資料」
・厚生労働省「エストロゲン(いわゆる女性ホルモン)の変動とライフステージ」員向け研修資料」


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