私は20代の頃から、ずっと仕事が好きでした。
というより、当時は仕事が生活のほとんどだった、と言ったほうが近いかもしれません。
なりたかった職業に就けたこともあり、仕事は何よりも最優先。忙しいことも、徹夜することも、それほど苦ではありませんでした。
締め切りが重なれば夜通し働く。3日徹夜したこともあります……今思えば、ちょっと怖い(笑)。
でも当時は、「頑張れるなら頑張ればいい」と思っていたんですよね。それくらい、仕事をすることが楽しかったし、体力的にもちょっと寝れれば復活できました。若かったなぁ。
30代、体調を崩しても「働きすぎ」は変わらなかった
そんな無理な働き方を続けていた30代の頃、体調を崩したことがありました。
それをきっかけに、それまで勤めていた会社を辞め、フリーランスとして働くようになります。
働き方が変わったのだから、もう少し自分のペースで仕事をするようになる……はずでしたが、そう簡単にはいきません。もともとのワーカホリック気質が抜けなかったこともあるし、フリーランスになったことで、「仕事がなくなったらどうしよう」という不安も、どこかにあったのだと思います。
依頼をいただけば、できるだけ引き受ける。忙しくても「なんとかなる」と思ってしまう。
結局、会社員時代とは形を変えながらも、週に5日はほぼフルタイムで仕事をこなし、場合によっては土日も仕事を入れながら、ずっと走り続けてきました。
40代、「できる仕事量」が変わってきた
でも40代に入った頃から、少しずつ同じ働き方ができなくなってきました。
わかりやすかったのは、無理をしたあとの回復力。たとえば、どうしても仕事が終わらなくて徹夜をする。以前なら、そのあと少し眠ればなんとか動けていたのに、今は寝ても全然疲れが取れない。
翌日だけではなく、その先までずるずると疲れを引きずることもあります。そして、以前なら普通にこなせていた仕事量が、同じペースではこなせなくなってきました。
最初のうちは、それを認めるのがちょっと嫌だったように思います。
「前はこれくらいできたのに」
「もっと頑張れるはずなのに」
つい、今の自分ではなく、以前の自分を基準にしてしまう。
でも、体が変わっているのに、働き方だけずっと同じというのも無理な話なんですよね。
働き盛りと、女性の体が変わる時期は重なっている
30代後半から40代って、仕事ではまさに働き盛り。
経験を積み、できることが増え、責任のある仕事を任されるようになる人も多い時期です。「まだまだ仕事でやりたいことがある」と感じている人も少なくないと思います。
一方で女性の場合は、その時期に妊娠や出産、子育てが重なることもあります。そして40代に入れば、今度は更年期に向かって体が大きく変化していく時期がやってきます。
(関連記事:更年期っていつから? 40歳になる前に知っておきたい体の変化)
厚生労働省の調査では、40代女性の28.3%、50代女性の38.3%が「更年期障害の可能性があると考えている」と回答しています。また、更年期症状が一つでもある40〜50代では、家事や外出、育児、介護、社会活動などに何らかの影響があると答えた人が約3割いました。
更年期症状には、ほてりや発汗だけではなく、疲れやすさ、肩こりや腰痛、眠りの浅さなど、仕事のパフォーマンスにも影響しそうなものがあります。厚生労働省も、更年期障害によって仕事の能率が落ちたり、仕事を続けることが難しくなったりする場合があるとしています。
(関連記事:女性ホルモンは40代からどう変わる? 知っておきたいエストロゲンのこと)
もちろん、40代になったら誰もが仕事をセーブしなければならないわけではありません。
更年期の症状にも個人差があります。
ただ、
仕事ではまだまだ走りたい。でも、体や暮らしは以前と同じではない。
そんなギャップに戸惑うことがあるのも、この年代なのだと思います。
「全部引き受けること」が責任感ではない
そして40代後半になった今、私はようやく仕事量をセーブすることを決めました。
このまま以前と同じ感覚で仕事を引き受け続けていたら、いつかキャパシティを超えてしまう。そして締め切りを守れなかったり、仕事の質を落としてしまったりしたら、結果的に誰かに迷惑をかけてしまいます。
フリーランスにとって、仕事を減らすのはちょっと怖いことでもあります。依頼を断ったら、次はもう声をかけてもらえないかもしれない。そんな不安は、今でもあります。
でも最近になって、ようやく思えるようになりました。
全部の仕事を引き受けることが、責任感ではない。
今の自分がきちんと向き合える量を知り、その範囲でいい仕事をする。そのほうが、結果的には相手に対しても誠実なのではないかと思っています。
この年まで培ってきたものを、これからどう使う?
そして、仕事量について考えるようになってから、もうひとつ考えるようになったことがあります。
「この年まで仕事をしてきて、自分の中に蓄積されたものを、これからどう使おう?」
ということです。
20代、30代の頃は、目の前の仕事をこなすことで精いっぱいでした。ひとつ終われば、また次の仕事。経験を積みたい。できることを増やしたい。とにかく前へ前へと進んできたように思います。
でも40代後半になって振り返ってみると、この年まで仕事を続けてきたからこそ、自分の中に蓄積されているものも結構あることに気づきました。
仕事を通して得てきた知識や経験。
たくさんの人に会い、話を聞いてきたこと。
情報を集め、整理して、誰かにわかりやすく伝えること。
そして文章を書くこと。
これまでは、そのほとんどを「依頼された仕事」のために使ってきました。
でも、これからはその一部を、自分自身の発信にも使ってみたいと思うようになりました。
仕事を増やすのではなく、「自分の仕事」を育ててみる
そのひとつとして始めたのが、この「ME EDIT」です。
誰かから依頼されたテーマを書くのではなく、自分が今知りたいこと。
40代後半になって実際に感じていること。そして、同世代の女性と共有したいと思ったこと。それを自分で考えて、調べて、編集して、発信してみる。
もちろん、このブログもいつか仕事として育ってくれたらいいなと思っています。仕事量を減らそうとしているのに、新しいことを始めているのだから、ちょっと矛盾しているようにも見えます(笑)。
でも、私の中ではむしろ逆なんです。
たくさんの仕事をこなす働き方から、これまで培ってきたものを生かして、自分の仕事を育てる働き方へ。
40代後半からは、そんな方向にも少しずつシフトしていきたいと思っています。
好きな仕事だからこそ、長く続けたい
20代の頃から今まで、なんだかんだ言って、私はやっぱり仕事が好きなんだと思います。だから若い頃は、無理をすることも「頑張る」のうちだと思っていました。
でも今は、少し違います。
好きな仕事だからこそ、無理をせず、できるだけ長く続けたい。
そのために、今の自分にできる仕事量を知る。ときには仕事を断る。そして、少し余白を残しておく。
その余白を、休むことに使ってもいいし、これまでとは違う新しい仕事を育てるために使ってもいい。仕事を諦めるためにペースを落とすのではなく、これからも仕事を続けていくために、頑張り方を変える。
40代後半。
体が変わり、暮らしが変われば、働き方だって変わっていい。これからの自分に合うように、仕事との付き合い方も少しずつ「再編集」していこうと思っています。


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